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「―――ゴメン!」 遠くから聞こえた声にビクリと反応。 「…は?」 可愛げのない私の言葉。 私らしいと言えば私らしいけど… 「ゴメン!」 振り返って、 その人を見て、かなり後悔。 「…なんで」 口にする言葉は淡々としていて。 いつもと何ら変わらなくて。 「好きだから」 そんなの、理由にならないけど、ニコニコ笑う彼がいて。 意味が分からなくて。 「だから…っ!」 思わず叫べば、 ギュッと抱きしめられていて。 「やっぱり、好き、大好き」 そう言って笑う彼がすぐ近くに居て。 悔しかった。 ただ、ただ、悔しかった。
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