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「作者が好きなんです」
可愛げもなく、
きちんとした私の受け答え。
今から思えば、なんて無愛想だったんだろうと思うくらい、愛想笑いすらしていなかった。
「やっぱり、奇遇だ。
僕もその作者好きなんです。」
ふわりと、人懐っこい笑みを浮かべて、子供みたいな純粋な笑みを浮かべて。
彼は笑った。
その時、トクリと小さく胸が鳴った。
…そんな気がした。
そんな些細な出来事。
でも、それがきっかけになって、
私たちは図書館でよく一緒に本を読むようになった。
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