対面

3/20
4452人が本棚に入れています
本棚に追加
/251ページ
「はぁ~」 (……まったくわからない) 俺は息詰まっていた。 もちろん、授業についてではない。 教育実習生マリー・ハーベルと『ピンク色の髪』の女性の関係についてだ。 (同一人物なのか………? だが、根拠がない…) と、まぁ、こんな感じで考えにふけっていて、結局、結論は出なかったのだ。 「…戦争末期、ルエトルⅨ世は魔女エリーゼを初めとする、八大貴族などの有能な魔法使いと共に巨大な『時空の歪み〔ひずみ〕』へ進行を開始する。 そこは、困難を極め…………」 授業は進む。 俺は進まない。 (…………) 考えるのをやめた。 そして、気を紛らわすため、俺はふと横を見る。 隣はエルの席だ。 彼女は一生懸命、ノートをとっている。 そのノートには板書と絵。 落書きではなく授業に関係する絵であるが、 (…………) 俺は一瞬にして、言葉を失った。 上手いか、下手かは想像にお任せする。 今度は何と無く後ろを振り返ってみた。 一番後ろの席にはディン。 ベタ過ぎてつまらないが………寝てる。 「……何ぃ!? つまらないだ……と……」 (…!?) 突然、ガバッと起きたディン。 もちろん、そのあと、叱られていたが……。
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!