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「はぁ~」
(……まったくわからない)
俺は息詰まっていた。
もちろん、授業についてではない。
教育実習生マリー・ハーベルと『ピンク色の髪』の女性の関係についてだ。
(同一人物なのか………?
だが、根拠がない…)
と、まぁ、こんな感じで考えにふけっていて、結局、結論は出なかったのだ。
「…戦争末期、ルエトルⅨ世は魔女エリーゼを初めとする、八大貴族などの有能な魔法使いと共に巨大な『時空の歪み〔ひずみ〕』へ進行を開始する。
そこは、困難を極め…………」
授業は進む。
俺は進まない。
(…………)
考えるのをやめた。
そして、気を紛らわすため、俺はふと横を見る。
隣はエルの席だ。
彼女は一生懸命、ノートをとっている。
そのノートには板書と絵。
落書きではなく授業に関係する絵であるが、
(…………)
俺は一瞬にして、言葉を失った。
上手いか、下手かは想像にお任せする。
今度は何と無く後ろを振り返ってみた。
一番後ろの席にはディン。
ベタ過ぎてつまらないが………寝てる。
「……何ぃ!?
つまらないだ……と……」
(…!?)
突然、ガバッと起きたディン。
もちろん、そのあと、叱られていたが……。
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