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「あっ…………」
我ながら間抜けな声だった。
俺の目は上から下へと扉を追う。
『扉を追う』と言う点はおかしいかもしれない。
所謂〔いわゆる〕、扉が倒れたのだ。
扉は大きな音と共に部屋の中へ横たわる。
俺は焦った。
相当焦った。
先程の苛立ちは消え、心配事ばかり浮かんだ。
「いっ………。
やばっ…………。
壊しち………………ゴホッ!ゴホッ!」
すると俺は何故か咳き込む。
もちろん、慌てたため咳き込んだ訳ではない。
理由は部屋から煙りが出てきたからだ。
(何だ?
3日でこんなに汚くなるはずが……)
見ると、それは埃ではなかった。
そして、鼻が感じた。
(!?焼けたにおい……?)
出てきた煙りはただの煙りではなく、黒い黒煙だった。
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