衝撃の帰宅

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(ま、まさか……な……) 俺の頭に嫌な予感が過ぎる。 俺は恐る恐る、部屋の中を覗いた。 明かりがついていないため少し暗いが、カーテンの間から射す光で中の様子が明らかとなった。 「……真っ黒……?」 もちろん、もともとの壁紙は正反対のシンプルな白だ。 真っ黒い壁紙なんて、いるだけで重くて苦しそうだし、そんなわけないのはわかると思う。 先程、カーテンの間から射す光と言ったが少し語弊がある。 良く見るとカーテンは原形を留めてはいない。 もう、わかるだろうが、今俺の部屋は大変なことになっていた。 そう、部屋は真っ黒……否、黒焦げであったのだ。 「ハッ……ハハハ…………………、冗談だろ!?」 俺の笑いは涸れているように薄い。 俺の心は大いに混乱していた。 (…………) 俺にはその気持ちを留めるほどの余裕はない。 出さなければ、パンクしそうでもあった。 だから、 「………何なんだよ! これはぁぁぁああぁぁあ~!!」 叫ばずにはいられなかった。 俺らしからぬ声が学外寮内に響き渡った。
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