不運

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~~数時間前~~ 〔早朝5:00頃〕 静まり返っている町の中……。 人っ子一人いない…。 そんな早朝。 それを破るかの如く、マナが騒ぎ出す。 ボォッ!! 音と共に学外寮の一室からまばゆい光が弾けた。 静寂は消え、荒々しい、鋭い音が辺りに広がる。 その一室から凄まじい紅い炎が現れたのだ。 その炎は一室にある家具やら道具やら、あらゆるものを瞬く間に飲み込んでいった。 「……火事か!?」 「燃えてる!」 「…か、火事よ!」 少なからず人々が気付き始めた。 近くの24時間営業の店から出て来た人々や、早起きのご老人などがその学外寮の一室を一斉に見上げた。 『ウーウー! 火事です。 学外寮の生徒は速やかに避難して下さい。 繰り返します。 火事です。 学外寮の………』 すると、寮内全域に分布している通信の魔法陣から、避難警報を行う機能が発動する。 それにより、寮内部の生徒にも危険が伝わる。 突然の警戒音に跳び起きる生徒。 「きゃ~!」 「わぁ~!」 生徒達は我先にと自分が逃げるために必死となった。 学外寮は一瞬でパニック状態に陥ったのである。
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