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途中からあからさまに慌てている。
レミの額には冷汗が垂れていた。
(わかりやすいな……。
いや、隠すつもりがないと言っても過言じゃないな)
俺は無表情で彼女を見ている。
(…バレちゃいました?
いいえ、バレてなんかいません。
きっと。たぶん!)
レミはそう自分に言い聞かせる。
そして、自分を落ち着かせるように深呼吸した。
まぁ、その行動がバレる要因の一つでもあるのだが…。
「と、とにかく帰りましょう!
学内寮へ!」
なおも、レミは慌てていた。
(………)
レミの行動の真意は気になるが、今はどうでもよかった。
俺は、やはり、エルのことが心配だ。
ふと、見てみても、元気は薄い。
彼女は今も、ほとんど会話に入ってきてはいない。
先程の沈黙の時よりかは少し笑顔を見せていた時もあったが、ぎこちない。
(エル……。
いったい、何を隠してるんだ?)
俺の心は届かない。
俺達は、レミが交ざったことで、少し活気を取り戻し、再び学内寮への帰路を進んだ。
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