呼んでよ。

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  呼んでください。 なんて、素直に言える筈ない。 どれだけ恥ずかしいことかって、昂希君はわかってないでしょ? いや、……わかってるのか。 だからわざと言ってるんだ。 「呼んでほしくないの?」 「………」 巻き付けてる腕の手が、私の頬を優しく触れてくる。 そして少し流れて、親指が微かに口元に触れた。 「っ…―」 や、だ…。 なに私、反応して…。 「ふ。 反応してんだ、かわい」 「……っあ…」 彼が私の耳朶を軽く、くわえた。 な、に。 何なの、この状況。 自然に甘いほうへと流れて、流れていく。  
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