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この状況で反論できないこと。
私自身、身に染みてわかってる。
戻ってきてくれた時、彼のペースにどっぷり嵌っていたから。
彼もきっとわかってる。
私が、これ以上反論しないこと。
「呼んで……くだ、さい…」
途切れ途切れに言葉を繋げた。
そしたら彼は、ククっと笑って。
「夏南」
ああ、呼んで欲しかった言葉。
私の名前。
甘美な彼の声に呼ばれて、細胞が歓喜で震えてるのがわかる。
―チュ…。
彼は聞こえるように音をたてて、耳朶を小さく吸った。
「…っん…」
快感に襲われる。
一度、知ってしまったら最後、手放せない心地よい快感。
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