呼んでよ。

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    「耳、弱いんだ」 吐息と、耳の中に触れるか触れないかぐらいの距離を保つ、柔らかい唇が私を甘く刺激する。 テレビの音も聞こえない。 映像も頭に入らない。 そんななか、思考が上手く働かない頭の片隅で思った。 私は、彼にこのまま流されてくんだ。 快楽の渦に…―。 ―ギシ、ギシ…。 スプリングが軋む。 ベッドの上。 ここは、快楽と、悦楽の海。  
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