呼んでよ。

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    エレベーター内から出てきた男性。 多分、20代ぐらい。 身長は昂希君とさほど変わらない。 「誰?」 昂希君が男性に尋ねた。 よく状況がわかっていない私は、2人を交互に見る。 「はあ?忘れてんの? 高校一緒だった。 同期の大倉だよ、おーくら」 あ、元同級生なんだ。 だけど、昂希君は忘れてたわけか…。 「あー、大倉ね」 大倉さんとやらに言われて、昂希君はやっと思い出したようだ。 「忘れてたとか、ひでー」 大倉さんは苦笑。 昂希君は返事をするでもなく、至って無表情で大倉さんを見ていた。  
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