呼んでよ。

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    「こ、こんばんわ」 一応挨拶をした。 なぜか大倉さんは、目を見開いていて、私に挨拶をされてハッとしたようだ。 「こんばんわ。 まさか、…かの、じょ?」 私に会釈すると大倉さんは、昂希君に視線だけを移した。 「ちげーよ」 ズキ。 昂希君の否定に胸が痛む。 痛むけど、恋人ではないのだから、否定するのは当たり前の話しだと、自分に言い聞かせる。 「…じゃあ、なんの関係? 高松、高校んときから付き合ってる、彼女いるじゃん?」 え? いま。 なん、て、言った? 彼女が、……居る? ガンっ、と重い鈍器で殴られたような、衝撃が頭にはしった。  
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