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食事が終わり、お店を出てたのは8時半を過ぎ頃だった。
今は車を停めているパーキングまで、皆で一緒に向かっている。
位置は必然的に、渚の横に涼太くん、私の横に昴希くんになった。
「やば……。お腹、苦しい」
「食べ過ぎなんだよ。夏南ちゃんもだけど」
ふいに私の前を歩く渚と涼太くんの、そんな会話が聞こえてきた。
涼太くんの言うとおり、渚もよく食べてたもんな。
満たされ過ぎたお腹が、苦しいと訴えるのも無理は無いけれど、私は大丈夫だった。
ブラックホールかと思うほど、私の胃袋はデカいみたいだし。
そんなことを思いながら、私は後ろ姿の渚達から私の隣を歩く昂希くんへと視線を変えた。
「あの、昂希くん」
「なに?」
彼はこちらには向こうとせず、前を向いたまま返事をした。
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