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一方の私は真っ直ぐ見て。
「奢ってくれてホントにありがとう」
と言って、ぺこりと頭を下げた。
すると彼はゆっくり、こちらを向いた。
私は皆で割り勘するとばかり思っていたのだけれど、昂希君と涼太君が出してくれた。
最初は私も渚も断ったものの、涼太君に『いーから』と笑顔で言われて、頷くことしか出来なかった。
勿論、その時もお礼を言った。
それでも私は、今一度言わずには居られなかった。
「どういたしまして。まあ、あんたがよく食うおかげでバカ高かったけど」
「……」
なんで言うかな?
余計なことまで。でも。
「……ごめんなさい」
昴希君の言う通りだし、奢ってもらった手前、反論は出来ない。
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