君との距離

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  今車が走行しているこの辺りは、どちらかと言うと、田舎のような町並みで。 昂希君のお父さんが産まれ育った町だということを知った。 この町に、目的の良い場所があるんだとか。 車を数少ないらしいパーキングに停め、車内から外に出る。 そこですぐに感じた。 新鮮な空気。 都会じゃ味わうことの出来ない空気を、私は顔を空に向けて、目を瞑りながら暫く味わった。 「こっから20分歩いて、更に坂上るから、きつくなったら言えよ」 「問題無し。 体力あるから」 自信満々で親指をグッと立てる。 昂希君は、じぃーっと私を見つめる。 な、何? 「何か顔についてる?」 「いや、ブーツじゃん」 「……あ」 そうだ、ブーツだった。  
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