大倉さんの憂鬱。

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  「は? いきなり何言ってんの、大倉」 頬杖つきながら、斜め向かいのテーブル席に居る一組のカップルに対し、嫌味たっぷり込めて吐いた俺のことを、友達が怪訝な顔をして見る。 カップルの男の方、いかにも幸せです、みたいな顔して。 ここ、ファミレスのスイーツメニューの中で一番人気らしい、でっかいパフェを彼女と半分ずっこして食ってる。 「何って、別に」 「あ、まさかお前、非リア充?」 「……」 口の端を上げて不適に笑う友達を、俺は無言で睨んだ。 「おー、怖」 怖くもないくせに、首を竦める友達。 俺は一切無視して、一口大に切ったハンバーグを口に入れた。 非リア充。 だったら、何だっていうんだ。  
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