天才、悩む

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ゆったりと、階段を上る。 授業中だから生徒も先生も見当たらない。 そんな少し寒々しい中を、龍飛はゆったりと歩く。 そして、目的地の前、そこにつながる扉に着いた。 この学校の最上階。屋上だ。 保健室はいやだったし、視聴覚室使ってたし、図書室はダメだし……。そうなると、条件(静か、先生が来ない、寝れる)が当てはまるところは場所は屋上しかなくなる。 そう思いながら、龍飛は扉を開けた。 ……彼の思った通り、屋上は静かだった。 そして誰もいない。 最高だ。 気分も晴れる。 少し開放感の余韻を楽しんだあと、屋上に一歩踏み出した。 そして周りを見回す。 『空』と『町』 それだけしかない。 ラッキーだ。時々、不良がたむろってたりするので、そう思えた。 その後、先生が見回りに来ることを配慮し、更に動く。フェンスを乗り越え、屋上の縁(一メートル位)を進んでいく。 この先に、ちょうど良い(自分が見つけた)居眠りスポットがあるのだ。 そこで時間を潰そうと彼は思いながら、フェンスを乗り越え、屋上の縁を進み始めた。
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