寄生虫女

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『君、毎回ライブきてるね。よっぽどのファンなんだ』と男性に声をかけられた 男は推定40オーバーの親父。でもナイスな男前で、オシャレに服を着こなしていた 『私…デビューからのファンですからぁ』 『綺麗だからよく目立つよ。シルバーのどこが好き?』 『昭和レトロなとことか、シンセサイザーの音色、あとやっぱり愛のはかなそうなのに、パンクもいけちゃう彼女の歌声かな』 『場所移して、飲み直さない?俺がおごるよ』 私は『おごる』という言葉に弱い どうせ親父なんだからと、のこのこついていった 『俺の名前は柳川ジョージ。君は?』 『うさぎデス。蝶野うさぎ』 『変わった名前だね。でも君に似合ってるかな』 『ジョージさんはいつも私みかけるっていったけど、ライブみにきてるんですか?』 『みにきてるというか…あのライブハウス俺の店だから…』 オーナーさんかぁ… 『失礼ですけどおいくつですか?』 『俺は45。うさぎちゃんは?』 『28です。世間ではアラサーとか言うんですよね。私はあまり気にしないから…』 『マイペースなイメージだ。兄弟はいるの?』 『18歳の弟と25歳の妹がいます。私と違って、できがよくて親によく比べられます』 不思議な事に、彼にはべらべらとなんでもはなせた
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