寄生虫女

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『普通27、28歳ってある病気がでるらしいよ』 『どんな病気ですか?』 『転職したい病。いわゆる27歳症候郡ってやつ。今よりスキルアップして、転職したり、専門学校通ったり、留学したり…まあ女性の場合は殆ど結婚でおさまってしまうらしいけどね』 『ご苦労な事ですね…この仕事のない時代に。私なんてとてもできませんよ』と私は笑った 『君はおもしろいね。綺麗な顔してさらりと言ってのける。モテるけどフラれる確率多いだろ?』 『最近もフラれました。もっと普通の恋愛してくれ~って。私には普通なんですけどね』 ジョージさんは笑っていた 普通の恋愛ってどうするんだろう…やっぱり首しめるのはアウトかな ついでに私に、さよならという感情を起こさせてから別れて欲しい さよならを教えて! 『うさぎちゃん、一人暮らし?』 『家族住みです』 『なんだ…送っていって襲おうと思ったのに』とジョージさんは冗談ぽく言った 『私に一人暮らしなんて無理ですよ…なんたって寄生虫女ですから。未だに親に少ない生活費渡して残った分はお小遣ですからね』私の豪快な笑いに、ジョージさんもつられて笑った 帰りはタクシーで送ってくれて、意外に紳士な人だった 部屋に入るまで、お母さんが怒鳴っていたけど、気にせず、私はライブの余韻に浸っていた
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