開けてはいけなさそうな扉

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来たるべきべき面接。 少しばかりの緊張を胸に、裏口から例のコンビニへ。 「失礼しまーす」 そろりと扉を開いて挨拶してみる。 しかし、返事はない。 「すみませーん」 しかし返事はない。 違和感を抱きながらも後ろ手に扉を閉め、入室。 どうやらこの空間は休憩室兼事務室らしい。 左手側に、売り場に繋がる道が見える。 休憩室の真ん中に長テーブルといくつかのパイプ椅子。 右手にはロッカーが並んでいる。 左奥の壁際には事務机が。 そして、真っ正面。 事務机の真隣には鋼鉄製の扉。 「…………は?」 鋼鉄製の扉。 まるで悪党犇めく収容所でも、一際凶悪な犯罪者を隔離しているかのような一枚の扉。 覗き穴すら除外された鋼鉄の扉。 コンビニにおいて――いや、普通の空間においてそぐわなすぎる雰囲気をもつそれに思わず近づいてみる。 怖いもの見たさというやつだ。 かといって開く勇気はなく、そっと、耳を近付けた。 ―――あ――――――あ゛あ゛ぁ 「………………」 とても後悔した。
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