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あー、にしても暇だなー。
だいたい、こまごました仕事は向いてないんだよ。
全く。
書類に目を通すのなんざ、俺にやらせるなよー。
重箱の隅つつくよーなチェックを俺が出来ると思ってるのがまず間違いだ、うん。
そういった集中力がほとんど続かない自信が、俺にはある。
だー、ダメだ!
飽きた!!
こうなったらミスが倍増するのは経験済だ。
気分転換をしよう。
俺が仕事をしているときは邪魔をしないSAJINだが、俺が休憩に入ろうと決めると、なんでわかるのかすぐに寄ってくる。
「さじん、あのね…」
「うん、どうした?」
歯切れが悪い。
遠慮してる?
「あのね、SAJINね、華水たちに会いたい」
華水というのは俺の怪盗仲間彩華の家に住むホワイトタイガーの子どもたちだ。もう一匹はなんていったかなー。
全く、あいつの名前のセンスはよくわからん。
もう少し覚えやすい、わかりやすい名前にしようって気遣いとかはないもんかなぁ。
だいたい本人のコードネームからしてそうだ。
彩なる華だぞ?
どんな美女かと思うじゃんか。
男なんだもんなぁ、がっかりだ。
美人がよかったよなぁ。
でも、ホワイトタイガーか…。
ちびはすぐ大きくなっちまうし、見に行ってもいいな。
思った時には俺はガレージから車を引っ張り出していた。
この時点で俺の仕上がっていない書類のことはすっかり頭から消えている。
もちろん、いつものことでそれは当然なのだ。
たぶん…、帰ってきたら仕上がってる、気がする。
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