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彩華のアジトは割と開けたところにある。
だから道は渋滞してるし、自転車は飛び出してきたりする。
……仕方ない、仕方ないことなんだ。
が。
むかつくぞー!
いつ轢かれるか、わかんないじゃないか!
渋滞で止まってても飛び出すんじゃないっ。
渡らせてやるから、落ち着いて出てこい!!
ふぅ。
車でくるのも大変だ。
そんな話をしたら彩華に言われた。
駅が近いから電車で来い、と。
試してみた事は、ある。
……もう二度としない。
イラっとしてもハンドルを握っている方が俺の性に合う。
電車でイラっとすると、はけ口がない。
SAJINも面白がってちょろちょろするしな。
いや、一度寝台列車とかに乗せるのは面白いかもしれん。
ふむ…。
「さじん、どこ行くの?」
あー。
いつものルート。
本当は右折する道を通過するのを見て、SAJINが不思議に思ったようだ。
「たまにはちょっと長めにドライブもいいだろ?」
「どらいぶー」
両手を上げ、SAJINは大喜びする。
んー。
その先を曲がってくるっとルート修正をしてもいいんだが。
俺はすっかりドライブをするつもりになっていた。
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