9人が本棚に入れています
本棚に追加
遊びに行くには遅い時間になった。
夕飯を食べに行くような時間。
だが、俺はあまり躊躇せずにずかずかと彩華のアジトに上がりこんだ。
ヤツのところも大所帯だ。
1人2人増えたところでわかるまい。
「おー、さじん、何やってんだ?」
……ばれた。
早すぎないか?
「遊びに来たぞー」
「で、土産?」
俺の手持ちを指差して手を差し出す。
察しのいいやつは嫌いだ(笑)
その手に袋を渡してやると、袋を覗き込み、数瞬考える。
「まぁ、メシ食ってないんだろ?俺もこれからだから、食ってけよ」
「彩華ぁ、華水たちはー?」
「何だ、SAJINはあいつらが目的か」
しゃがみこんで目を合わせながら彩華が笑う。
ぽんぽんと頭を撫でながら、しゃがんだまま俺を見上げる。
「じゃ、ここじゃなくて食事は俺の部屋にするか」
通りかかった手下を捕まえて、彩華が二言三言囁く。
心得たように指示をされた手下が奥へ消えた。
こいつのとこは躾がいいというか、何というか…。俺んとこはこうはいかないなぁ。
彩華の部屋に運ばれてきた食事は、豪華ではなかったが、旨かった。
ホワイトタイガーと遊ぶ…というか、大きくなりすぎたやつらに遊ばれたSAJINは中々メシを食わなくて困った。
…SAJIN喰われるかと思った。
が、当人たちはハードなじゃれあいを楽しんでいるようだから、まぁいっか。
じゃれてるというか、SAJINは踏まれてつぶされてたような気がするが…。
最初のコメントを投稿しよう!