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「なんで君はそんなに強くいられるの」
僕は耐えきれず聞いてしまった。
君の強く儚い蒼い瞳が優しさを覗かせた。
なんで君は何にも怖れていないのだろう。もうすぐ自分が滅びていくというのに、そんな綺麗で優しい笑顔を僕なんかに振りまくことが出来るのだろう。
そして君は力強い笑顔で、僕に言った。
「やっと私の居場所が見つかった。私の肉体が滅びても、私はあなたと一つになる。私の心があなたの中で、これからも生きていく。
私は今まで傷ついてきた。きっとこれからもあなたと一緒に世界に絶望したり、自分の弱さを呪い、今まで以上に傷つくかもしれない。
でもあなたとなら、私は全てを受け止めたい。これからはどんな時もあなたと一緒。私はやっと自分の居場所を見つけた。
だから…そんな悲しい顔しないで」
君の手のひらが僕の頬を包んだ。温かかった。今までの君とは思えなかった。
君の親指が僕の瞳のしたを一拭いした。僕はいつの間にか泣いていた。
君が滅びていく苦しさに耐えきれなかった。君はこんなにも強くいられるのに、僕はなんで泣いているんだろう。どんなに強がっていても、僕の弱い心は正直だった。僕の弱い心は君が滅びていくのを耐えきれなくなっていた。
だけど君は今まで何度も僕を助けてくれた。僕の望みを叶えてくれた。今度は僕が君の望みを叶えてやる番なんだ。
そして君は最後に聞いた。
「私のこと…大好き?」
君が望むのなら、僕はその全てに応えてやりたかった。
だから僕は君の最後の言葉に相槌を打った。
そして君が滅びていくのを、僕は最後まで見届けた。
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