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「と、ところで。そろそろ新入生が部活見学に来る時期だよね?」
何とか話しを変えようと、美月は苦し紛れに話題を出す。
陽奈はそうだっけ?と言って部活の予定表に視線を走らせた。
「あー、そういえば部室のドアにそんなのが貼ってあった気が…」
「コントラバスにも来ないかなー?」
「無理な期待は捨てたほうが良いと思うけど?」
「いいじゃん!可愛い後輩がほーしーいー!!」
年甲斐も無く駄々をこねる美月を見て、陽奈は眉にシワを寄せてそれ以上言ったら殴ると言い放つ。
陽奈が有言実行だということを美月も嫌というほど知っているので、それ以上駄々をこねずおとなしく椅子に座った。
「…すいませんでした。」
「分かればいいよ。ていうか、今回入ってくる学年にコントラバスやってた人はいないでしょ。」
「え、そうなの!?」
驚いたような美月に、陽奈はハァとあからさまにため息をつく。
「…演奏会で中学生見るでしょうが。」
「自分の母校と自分達の演奏しか興味ないです。」
「聞けよ、他校の演奏!!」
ツッコミを入れる陽奈に向かって、美月はエヘッと舌を出して笑う。
そんな美月を見て、陽奈は疲れたようにため息をついた。
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