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4月。
美月達が通う杉山商業高校も、進級、進学の季節がやって来ていた。
「おはよー、陽奈ちゃん。4月だっていうのに、なんの変化も無いよねー」
「だね。唯一変わった事といえば、学ちゃんの頭の色位じゃない?」
確かに、今朝職員室で見た学の頭は綺麗なピンク色になっていた。
なんでも桜をイメージしたらしいが、お前は仮にも教育者だろうとツッコミたくなる色である。
「頭がピンクの教師なんか聞いたこと無いよ。」
「学ちゃんも顔だけは良いんだからさっさと彼女作ればいいのに。」
「結婚してあの教師が少しはまともになるんだったら、私は全力でお見合いを設定する。」
そう言った陽奈の目は真剣そのもので、美月はハハハと渇いた笑みを漏らすことしかできなかった。
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