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「……うぅ……ん……?」
うっすらと視界に映る見覚えのない景色に戸惑いつつ辺りを見渡す一人の男。
そこはその名前から想像もつかない程の美しい森。
小綺麗な花こそ無いものの、葉は青々と茂り、まるで何百年……何千年もの永い間何者にも手を加えられることのなかった遥か太古の自然を想わせる樹木。
葉の擦れる静かな音。
木々の隙間から漏れる光は温かく、男の不安な気持ちを緩和させるには十分な温もりだった。
「……? ……何故俺はこんな所に……」
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