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そんな私の心配をよそに、高峰君は話を続ける。
「はぁ。お互い受験生なのに、生徒会なんて面倒だね…。早く後輩達の引き継ぎ、終わらせたいね。」
普段無口な彼が、フランクに会話。
しかも愚痴だなんて、滅多に見られるものじゃないから、つい笑ってしまった。
「あははっ。皆、寂しいんだよ。立派な先輩役員さん達がもうすぐ引退しちゃうから。まぁ、私は助っ人だから違うけど。でも、最後だし甘えさせてあげようよ。」
後輩達を思い、助っ人できる残りの時間をいとおしく感じる。
「…そんなこと、ないよ…?」
ポツリと優しい声が。隣を見ると、真剣な眼差して私を見つめる高峰君。
「えっ…、と?」
「廣崎さんは、本来役員じゃないけど生徒会のメンバーだって、皆思ってるよ。むしろ役員の俺達より、よっぽど慕われてるんじゃないかな…。」
少しだけ寂しそうに、高峰君は苦笑してみせた。
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