序章 昼下がりのコール

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 順次は、長女の由真の家庭教師である。      小学校三年の由真は、大手進学塾の「プレ・スクール」に通わせている。   「家庭教師もつけよう」  と言いだしたのは夫である。      義姉(アネ)に頼んで紹介された「順次」に、いっぺんで惚れ込んだのも、夫である。 「義姉の長男の後輩で、名門の国立大学に『現役』で合格した秀才。  その肩書きが気にいったのだろう。  すぐその日に、採用を決めた。
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