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第一章 赤い目
「あ!ショートケーキみたいですね」
と、透明なセロファンで包まれた一輪の赤バラを、麗子に渡しながら、順次は、少し照れたようにいった。
アイシャドーもルージュも、いつもより濃い目に引いた。
順次の「言葉」は、そのせいだったろう。
「厚化粧しちゃった」
「とっても華やかですよ」
「ほめてくれたの?」
わずかな微笑で答えた。
麗子は、「年上の女」として、余裕をもってふるまいたかった。
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