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ずっとずっと、同じテンションで誰かを愛し続けるなんて‥
そんなの夢物語やん‥
いつか別れが来るのなら、あたしは、今、別れを選ぶよ‥
─ 今んとこ‥ ─
そう言った陽のコトバが、いつまでも、あたしの胸に突き刺さっていた。
「ママぁ、ちゃぷちゃぷするー。」
リビングルームでテレビを見ていた星那が、部屋に入って来た。
「うん。お風呂、行こ。」
さっきから何度も鳴っているケータイを無視して、あたしは星那と部屋を出た。
「ママ、でんまなってる!」
「セナちゃん、“でんま”じゃ無くて“でんわ”やで♪」
「でんま?」
窓の向こうで、微かに秋の虫の合奏している音が聴こえた。
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