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「新大阪まで行っても、オレは、また来るからね。このままじゃ帰れないから。」
「なんで?帰ってよ。」
「イヤだよ。ルナを、そんなキモチのまま、放っとくなんてデキないよ。」
陽は、いつも優しい。
彼の揚げ足を取って怒ってる、そんなあたしにさえも、その優しさは変わらない。
あたしは閉店後の古本屋の前で、車を停めた。
「ねぇ、ルナ。約束したよね?オレから離れないって。」
ふてくされた顔で前を向いたままのあたしに、陽は、また優しい声で言った。
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