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人殺しはイケナイ事です
法律でも決まっているし、ずっと聞かされた当たり前の事。
だからきっと、人殺しは
〝人間失格(ヒトデナシ)〟
なんだと、私は思う
★ ★ ★
「……う、ん」
朝、目覚ましが鳴る五分前に目が覚める。
こんな日は憂鬱だ。今までの経験上、きっと近くで良くない事が起きてるから
「……」
とりあえず着替えて、顔を洗おう
ここで自己紹介をしておく、私は【霧崎 咲(きりさき さく)】高校二年、先日16才になった。クラスメートは私の事を無表情の冷血漢なんて、色々失礼な事を言うが、周りが無駄に騒ぎ過ぎなんだと思っている
「あら、おはよう。今日は早起きね」
「はっはっ、今日は雪かもな」
リビングまで降りると、母と父が笑ってそんな事を言う
少し早く目が覚めただけなのに……これじゃ、私が朝に弱いみたいじゃない
「……ぉ…は、よ」
私も挨拶を返すと自分の席に着く。するとすぐさま朝食が置かれる
「一口サンドイッチと特製ドリンクよ。朝は少しでも食べた方がいいから」
たしかにその通りだと思う。朝はあまり食欲はないが、これなら食べれるだろう
『――今朝未明、〇〇県△△市で、女性の遺体が発見されました。遺体の状況から、例の連続通り魔殺人事件と何らかの関係があるんじゃないかと――』
サンドイッチをかじっていると付けてあったTVからそんなニュースが流れた。
連続通り魔殺人事件。
数ヶ月前、刃物で解体された変死体が発見された。最初の被害者は、20代後半の男性だったらしい。その後も、至る所で同様な事件が起きている
「やだ。これ結構近くなんじゃない」
「……。」
母が不安そうな顔をしている
「確かにな。母さん、咲。気をつけるんだぞ。特に夜は遅くならないようにな」
私はニュースに耳を傾けながらも、コクンと頷いたのだった
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