大崎学園高等部2年

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まさか後輩にあんな風に思われてるなんて思ってもいなかったからちょっとびっくりしちゃった… 明日のことを考えながら私は自宅へと足を進めた ――――――――………… ――――………… ―……… 「ただいまー」 「おっ!早いな!」 「兄さんこそ、仕事は?」 「今日は早くあがれたんだ!飯できてるぞ」 「うん」 私の家は私が中1の時に両親が事故で亡くなっていて、今は私と兄さんの二人暮らし 家のローンも両親の保険金で払い終わったからちょっと二人暮らしにしては贅沢の一軒家に住んでいる 兄さんも高卒で就職してるし、ボーナスもいいから生活は何一つ困らないけど、最近になって一つ問題が起きた それは兄さんの結婚話… 結婚するのはいいけど、妹思いの兄さんのことだ 絶対に私を一人にさせないだろう… かといって私は兄さんと彼女さんの新婚生活を邪魔したくない まったく、困ったもんだ 兄さんももう25歳だし、私だって子供だけどもう17歳なんだからほおっておいてもいいのにね 「どうした夏美?」 「え?いや、なんでもないよ」 「また俺のことか?」 「そんなことより!明日兄さんたちのクラブが使ってる施設に行っていい?一緒に混ざってバスケしたいの!」 「いいけど部活は?明日土曜日だから午後練のはずだろ?」 「バレー部にコート貸すから休みになったの」 「休みの日くらいバスケのこと忘れれば?」 兄さんまで… 私はそう思った 兄さんも学生の頃はバスケ一本っとか言ってたのに、女ができたからそういうことを妹にいうようになったんだ 「夏美は好きなやついないのか?」 「いないよ」 「夏美もボーイッシュな髪型にしないで、女の子らしくすれば絶対にモテるのに」 「余計なお世話、髪の毛邪魔なんだもん」 「お前女にモテるタイプだな(笑)夏美が男だったらきっとモテモテだぞ!」 「はいはい」 私だって女じゃなくて男に産まれたかったし… そんなことを思いながら私は食べ終わった食器を片付け、お風呂場に向かった 「彼氏かー………」 自分でモテないと思ってはいるが別にスタイルが悪いわけじゃないと自分でも多少はそう思っている
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