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「夏美!遅い!なんでジュース買いに行くのに15分もかかってんの!」
「ご、ごめん」
「ん?どした?なんかあった?」
「べ、別に!なにもないよ!はいっ!バヤリース!」
「あ、ありがとう」
さっき起きた出来事を真奈に話してもよかったのだが、なぜだかそういう気にはなれなかった
話せば少しは気持ちが楽になるかもしれないのにね
結局私は秋にキスされたことが頭から離れず、部活に対しての集中力が欠けたまま部活を始めた
「夏美!危ない!」
「え…」
ドンッ!
「いった…」
「大丈夫?パスって言ったのに聞こえなかったの?」
「ごめん、ぼーっとしてて…もう大丈夫だから」
「んなわけないでしょ!とりあえず保健室に行ってぶつけたとこ冷やしな」
「う、うん…みんなごめん、練習再開して」
<はいっ>
私はほかの部員に指示を出し、真奈も付き添って私たちは保健室に入って行った
「いたいっ」
「こりゃたんこぶできるな」
「はぁー、変なドジしちゃったな」
「ねぇ夏美、やっぱりなんかあったんでしょ」
「心配かけちゃったね!ほんとになんでもないから!」
「……ならいいけど、私に隠し事はやめてよ?親友でしょ?」
「う、うん」
私は気が晴れないまま真奈と体育館に戻った
なんか真奈を裏切ったみたい…
そんなつもりじゃないのに
秋とのことはまだ誰にも話したくない
そのとき私はふと思った
「ま、真奈!ちょっと先に戻ってて!」
「えっ?ちょ、夏美!」
秋のやつにキスしたこと誰にも言わないよう口止めしなきゃ!
―――――――……………
――――…………
―……
「もぅ…どこいったんだよ…帰ったのかな」
「なにうろちょろしてるの?」
「えっ?あ、えーっと…てかあなたは?」
「俺?俺は立花 悟(たちばな さとる)高等部3年」
「あっ、どうも」
「君、福岡夏美さんでしょ?」
「なんで…」
「だって君、有名だもん」
「有名!?初耳なんだけど」
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