愛しても愛したりない。

終わりが始まり。

職場は一部上場企業で、
今出て行こうとしているのは分社された別会社。

要するに、
出戻りを言い渡されたのだ。

普通のOLがそんな大袈裟に…。

と、思われるかもしれないが、
普通に働いていたら何て事無い職場も、
新会社立ち上げから携わっていたとなると、
これが結構忙しい。

１ヶ月の引き継ぎ期間。

いつもは仕事7割の女が、
100％以上の気合いで働いて、
休みの日まで出勤している。

周りから見れば、
この時の私は鬼の形相だったかもしれない。

でも、忙しさが寂しさを紛らわしてくれた。

日課だった帰宅後のメールチェックも、
いつの間にか忘れる位に眠りが私をベッドへと誘った。

週に一度、
日曜の夜だけは、

「頑張れ。
レミは強いから大丈夫。
仕事に負ける女じゃないでしょ。」

私が仕事に疲れていると、
そう言ってくれた彼を想って泣いていた。