125人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふてくされもしますよ。」
触れあう肩を少し押し付けるようにして、
加藤に聞こえるか聞こえないかわからない位の小声でつぶやいた。
酔っていたが、
理性を無くすまでじゃない。
だが、
彼氏と別れてからの私は、
色々なところでたかが外れていた。
この飲み会が終われば、
好みすぎて苦手なこの人と、
こんなに近くで話す事は無くなる。
だから、何をしたとしてもこの場で終わってしまう。
理想的な鷲鼻をどんなに見つめても、
隣で感じる男の体温を心地いいと思っても、
全ては今日限り。
社内とはいえ、
酔って絡むくらいは許されるだろう。
そんな事を考えていた。
最初のコメントを投稿しよう!