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『嫌い』
私が加藤に対する態度の何処をどうとらえたらそうなったのか、
全く理解出来ないが面白い。
好みすぎて話せない。
悪い男には近づきたくない。
そういう思考が加藤への態度を悪いように見せていたのなら、
本音を口にしても良い・・。
でも、
すんなり伝えても面白くない。
加藤を試したいような、
自分を試されたいような。
そんな気持ちが芽生えていた。
「別に、
嫌いじゃないですよ。
人見知りなだけです。」
「人見知りね。
人見知りっていうよりは、
お前はこの部署の人間ほとんど嫌いだろ?」
「人としては嫌いじゃないです。」
「仕事に関しては認めてないっていう事か。」
「加藤さん。
小声で言ってください。
小声で言っても問題ですけど。」
私の言葉に、
笑い声を押し殺すようにして
視線を寄越す男から目が離せない。
脳内で黄色信号がちらついた。
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