終わりが始まり。

4/11
前へ
/104ページ
次へ
彼がニューヨークに行ってもう一年。 この間に3度も帰国してくれたが、 最近の彼がニューヨークでの仕事にやりがいを感じているのはわかっていた。 互いの距離に寂しさを感じたとしても、 思いあっている事は間違いない。 そう思っていたが。 この一年で彼の中に、 私が傍に居ない未来が見えているのでは無いかと不安に思う事もあった。 「日本に帰って来ないつもりなの?」 彼は、 怒ったような、 困ったような、 今にも泣きだしそうな顔をして、 私を見た。
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

125人が本棚に入れています
本棚に追加