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我が儘を言って嫌われたらどうしよう。
いつもそんな思いが、私の体の中に駆け巡る。
「ねえ、言ってくんなきゃ分かんないよ?
どーしたいの?」
彼の不機嫌な声に、ますます私は何も言えなくなる。
5コ上の彼に対して、私はまだ高校生。
嫌われたくない一心で、自分の意見を飲み込んで彼に合わせてきた。
他人から見れば、そんなの何が良いか分からないだろう。
こうすることしか出来ないのは、恋愛経験の少なさなのか…。
合わせることによって余裕を持ってるように見せたいのか、自分でも分からなかった。
とにかく私はすがりつくのに必死だった。
けど今日は違った。
デートする時は必ず10時には、家に送ってくれる。
いつも通りに
「そろそろ帰ろっか」
と言う彼の言葉に
「わかった」
ではなく
「やだ」
と言った私。
最近、なかなか会えなかったせいか、出てしまった言葉。
後戻りは出来ない。
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