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仕事から帰ったら、 父親が庭で一人、俯いてブロック片に座り込んでいた。
私 愛19歳
パパ?
鍵が無いんだよ。いつも母さんが家に居るのが当たり前の我が家だったから父親は鍵を持っていなかった。
母さんはその日の何ヶ月か前から私の進めで、昼間のカラオケスナックで働き始めていた。何故私が勧めたか。
その頃の母は多分鬱病?更年期?とにかく一人で家から一歩も外に出なくなり、 死にたい。辛い。泣き出す。
これじゃ駄目になっちゃう。
そうだ!カラオケ!
母の趣味。若い頃歌手になりたかった母 は家にジュークボックスみたいなものを買い一人よく唄っていた。確か親戚の叔母さんがやってる、カラオケスナックがあるよな。
少しは元気になってくれるんじゃないか と考え私が勧めた。
まさか 不倫するなんて考えてもいなかったから。
父親 厳格 亭主関白 暴力。
ただ その日の小さな父の背中は私の心から拭えない。
只今
お母さん遅くなっちゃって。
夕食を家族で食べ始めようとした時、テーブルがひっくり返された。
怒鳴り声とやめてと姉の叫ぶ声。
ボーゼンとしている母に、
もう我慢しなくていいから。私がどうにかするから家出よう。
まさかその日のうちに家を出る事も、どん底に突き落とされる事になるなんて、想ってもみなかった。
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