Nobodyknows.

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「樋口はそうやって顔出してたほうがいいよ」 ヘアピンで前髪が分けられたわたしに向かって日野くんが言った。 どうしよう…今日は、 幸せすぎて。 「ありがとう…。ありがとう、うれしい」 わたしの感謝が伝わったのか、日野くんも満足そうな顔をしてた。 「ねぇ、じゃあさ。ソレ、毎日付けてよ」 「うん…?」 「そしたらオレがあげたんだってなんか実感できるじゃん」 期待した目で見てくる日野くん。 そんなこと言わなくても 毎日する気でいたよ。 日野くんが、わたしにくれたんだから。 「うん約束する。毎日付けるよ」 日野くんはうれしそうに笑いながら、もう一度わたしの前髪に触れて 「似合ってる」 そう言ってくれた。
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