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「あなたの背後に、 あまり良くない影が見えます。 気をつけて下さい」
「あ、 ああ。 承知した」
「す、 すみません。 変なこと言って。 それじゃあ、 ご機嫌よう」
そう言って彼女は走っていってしまった。 ……本を置いて。 パリー・ホッターは一冊でも厚いのに……五冊も置いて行きやがって。
「……シンデレラだったらガラスの靴なのにな……。 軽くて羨ましいぜ、 王子様」
思わず独り言を言ってしまった。
二階から余分な荷物を持って、 無事にマイクラスに到着。 そして遅刻した。 ……パリー・ホッター五冊には誰も触れてはくれなかった。 くっそったれ(泣)
とりあえずパリー・ホッターは俺のロッカーに入れることにした。 一冊溢れ出てしまったが……問題ない。 何食わぬ顔で辰巳のロッカーに入れておいた。 友達は時と場合に使うものだな。 ……うむ。
パリー・ホッターは放課後、 図書室に返すことにしよう。
何故図書室の本だと判ったかって? 簡単だ。 本のページの最後に、 貸し借り記録カードが貼ってあったからだ。 何事も機転は利かせるもんさ。
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