6人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいと思うよ再婚」
「へ?」
「いいじゃん、再婚しなよ」
あたしの言葉にお父さんはびっくりしている。
「お母さんが死んでからお父さん、今まで一人であたし育ててくれて癒しなんてなかったじゃん、再婚して癒されたら?」
「…っつぐみ!」
「あ、早くご飯食べてね。あたし月9見たいからお皿早く洗いたい」
「…………もぐ」
再婚…再婚かあ…。なんか勢いでいいよって言っちゃったけど、相手の人はどんな人だろう?仲良くやっていける人だったら全然オッケーなんだけど、難しいような人だったら困るし……。
「お父さん、今度その再婚する人にあわせてくれるの?」
「むぐ……ん。ああ、出来たら今週の日曜日にでもうちに招きたいと思ってる」
「そっかぁ…………いい人?」
やっぱり心配。お父さんをちらっと伺うとにっこり微笑まれた。
「もちろん、父さんが選んだんだ。父さん似のお前なら絶対大好きになる。楽しみにしててな」
「………うん、楽しみにしてる」
気分が晴れやかになったのを感じた。うん、お父さん好きだ。安心する。
近々、我が家の食卓がさらに賑わうことを考えるとドキドキしてあたしは楽しみにしていた月9のストーリーが頭に入らなかった。
最初のコメントを投稿しよう!