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あれから16年。桃から生まれた女の子はすくすくと育ち、腰まで伸びる長い黒髪を携えた美しい女性に育ちました。
「あたし、鬼退治に行ってくる! 反対はしないでね? いい?」
「行ってくるといい」
本当に反対も何もせず、あっさりと承諾したおばあさん。娘が可愛くないのでしょうか。
「だが、少し待て。あなた」
「なんだね、カリーニンくん?」
「かなめ嬢に例の伝統衣装をお願いします。自分は旅に必要な食事を準備します。おおよそ、食材の準備も含めて1時間29分37秒で完成するかと」
「あとどのくらいと言ったかね?」
「1時間29分32秒です」
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