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「・・・それ、りょう・・・り?」
思わずつっこむかなめ。それも当然だろうが。
「肯定だ」
食材を手に取りながら答えるカリーニン。その顔は至って真面目である。
「えと・・・期待しないで待ってるね・・・?」
「分かった。あと1時間28分46秒だ」
そう言うと、用意した食材をナイフできれいに捌きだした。
「・・・・・・」
かなめには、ただその光景を呆然と眺めることしかできず、マデューカスは、気付くとすでにその場にいなかった。
それからある程度時間がたって――
「わぁ・・・いい香り・・・」
時代錯誤も甚だしいが、ボルシチのいい香りが部屋中に広がっていた。
「あと3分46――」
そこで言葉を切り、ボルシチをかき混ぜた。
「あと3分44秒です」
・・・本当に料理なのだろうか・・・。
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