動物たちを引き連れて

3/18
前へ
/49ページ
次へ
「・・・それ、りょう・・・り?」  思わずつっこむかなめ。それも当然だろうが。 「肯定だ」  食材を手に取りながら答えるカリーニン。その顔は至って真面目である。 「えと・・・期待しないで待ってるね・・・?」 「分かった。あと1時間28分46秒だ」  そう言うと、用意した食材をナイフできれいに捌きだした。 「・・・・・・」  かなめには、ただその光景を呆然と眺めることしかできず、マデューカスは、気付くとすでにその場にいなかった。  それからある程度時間がたって―― 「わぁ・・・いい香り・・・」  時代錯誤も甚だしいが、ボルシチのいい香りが部屋中に広がっていた。 「あと3分46――」  そこで言葉を切り、ボルシチをかき混ぜた。 「あと3分44秒です」  ・・・本当に料理なのだろうか・・・。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

180人が本棚に入れています
本棚に追加