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「ウチには作り直すという余裕など存在するほど裕福ではない。それに、その服に体格が合うようになれば、痩せた、というわけだな」
このセリフを聞いたかなめは、なるほど、と納得させられて、一念発起して立ち上がった。
「よし、いざ鬼退治! 目標はこの服を苦しくないように着れること! まぁ、こんなの野外で着たくないから、ホントに目安として」
立ち上がり、そう宣言した。
「じゃ、いつもの服に着替えてからいってきまーす」
そう言うと、また奥の部屋に戻っていった。
「・・・やっぱり着ませんでしたね」
「あそこで太っている、ということさえなければ着ていたかもしれなかったのだが・・・」
「あきらめましょう」
「・・・うむ。仕方がない」
と、そんなこそこそとした会話は、かなめの耳に入るわけがなかった。
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