始まりは桃から

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「ほぅ、ならば・・・」  おばあさんは懐から、30cmはあるかという研いだばかりのナイフを取り出すと、一刀両断にしようと構えた。 「ま、待ってください! な、なんでそんなに気合いの入った構えなんですか!?」 「・・・? ダメなのか?」 「ダメです! 中の子供まで切るつもりですか!?」 「・・・そうだったな。では、どう切れと?」 「えーっと、中の子供を切らないように慎重にお願いします」 「心得た」  改めてナイフを構え、桃を見ると、ふるふると震えていた。 「どうした?」 「い、いえ、痛いのが苦手で・・・」  どうやら、痛覚神経はあるようである。
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