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太陽の光が容赦無く照り付ける8月の第二日曜日。僕、海棠真茂(カイドウマモ)は仕事のパートナーである花篠夢子(カシノムコ)と共に、草むらに入り虫を探していた。
「あちぃ……あちぃよ……。シノ!ちょっと休憩しようぜ」
シノは虫を探す手を止めて、僕を見た。ほっそりとした顔につぶらな瞳、そしてショートヘアが特徴的である。
「阿呆言うな。まだ探して30分しか経ってへんやろがボケ」
この口の悪さを除けば良い女性なんだが……
「だってよぉ、見つかりっこないじゃん、人面模様のある虫なんてさ。だいたい、そんな虫一匹が、どう国の未来に影響するってんだ?」
「あたしが知るわけないでしょ!死ね!あんたも未来修正機関の一員なら文句言わずにやれや」
「未来修正機関の一員ねぇ……」
まぁなんというか、この国には未来修正機関という、その名の通り未来を修正する機関が存在する。
僕もよくは知らないのだが、未来修正機関本部には、予知能力者がいて、その人は現時点で予測される未来を見る事ができるらしい。
その人が言うには、このままいけば国の未来は暗く、悲惨なモノらしい。だから僕たちが、少しでも明るい未来にするために、あれこれと未来を修正していくのだ。
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