雨のなみだ

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『なっ…やめっ!!』 「やめない。」 なんで…? 『どうして…!』 わからない…? 『やめろ!!』 やめないよ…? 「逃げるな…逃げないでくれ…」 お願いだから… 『…佑?』 今まで襲ってきていた手が止まった…襲っていたのは佑なのに…悲しい目をして、辛そうにしていた。 昨日までは普通だったのに…。 今日は……ぁ。 今日は… 『佑…ごめんね?約束…したのに…逃げないから』 「…ぅん…」 思い出してくれた…? 『佑…ごめんね?』 「…うん」 謝ってきた陸は、それから寝るまでずっと抱き締めていてくれた。 「…陸…ごめん…痛かった?……怖かった…よね?」 『佑よりは大丈夫だよ?ごめんね…忘れたりなんかして…』 いいんだ… 抱き締めてくれたから… 逃げなかったから… 『雨がやむまで、佑が眠るまで、抱き締めるよ。』 そう、原因は『雨』 俺を…孤独にした雨。俺から全てをさらった雨が怖いんだ。 やっと、孤独から抜け出してきたのに…また失いそうで怖いんだ。 だから ずっと… 雨の音がしなくなるまで… 力強く、 抱き締めていてほしい…。 ひとりにしないで…陸。 俺にはお前だけ…。 end
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